声に邪魔されている
声に邪魔されている
周りに誰もいないのに声や音が聞こえてきたり、電子機器や自宅外から監視・盗聴されている感じはありませんか?
「監視や盗聴をされている」「自分を責める声が聞こえる」「電磁波で攻撃を受けている」「自分の考えが漏れている」といった症状が続く場合は、統合失調症の可能性があります。
統合失調症は、多くは思春期から青年期に発症する疾患で、「幻覚」や「妄想」といった症状が特徴的です。
脳内のドパミンと呼ばれる生命活動に欠かせない神経伝達物質の働きに変化が生じることと、環境要因もあって罹患する疾患と考えられており、およそ100人に1人弱の割合で罹患します。
経過は個々人によってさまざまですが、非常に薬物療法や認知療法の向上により、症状のコントロールが良好な状態な方が増えていると考えられます。
「発症早期の治療」が重要で、早期のうちに専門医による適切な治療を受けることが、その後の回復・寛解に影響を及ぼす可能性があります。しかし、「幻覚」や「妄想」などは、統合失調症や急性一過性精神病性障害のみで出現する症状ではありませんので、思い当たる症状があれば、お早めに受診されご相談されることをお勧めします。
一般的には、なんとなく不安で気持ちが落ちこむ、元気が出ないといった抑うつや身体的な不調など、非特異的な症状が出現する時期があり、前駆期と呼ばれます。
その後、「自分の考えが周囲に知れ渡っている」「ネット上で自分が批判されている」「反社会的な集団や国家権力、宗教団体等に監視されている」「盗聴器が仕掛けられている」「(姿は見えないが)声が聞こえて酷い言葉で罵られる」「複数人が自分のことを話している」などの特徴的な症状が明らかになり、外出困難となってカーテンを閉ざして自室に籠るような経過がみられることがあります。
治療としては、ドパミンの働きを調節する抗精神病薬などを用い、疾病についての理解を深めてもらうことや、その患者さんに合った生活技能訓練や就労などの支援も治療の一環として検討されます。